エンタメLABOは、プロ・スポーツチーム経営学: PROFESSIONAL SPORTS TEAM MANAGEMENT を出版しました。
著者はET-LABO代表 江頭満正です。

プロ・スポーツの経営は一般企業と異なり、様々な利害関係が発生しています。第一に異なる点は、対戦相手と呼ばれる、同じリーグに所属する他のチームです。多くの場合、別企業でありながら共同してゲームというコンテンツを作り上げる、協力者という立場になります。ゲームの中ではよく敵チームという表現をされる事がありますが、現実にはゲームというコンテンツを、制作するために欠かすことのできない大事な存在です。またこの対戦相手とは、ゲームに関する権利がどちらに、どのように帰属しているのか。権利に関する知識が必要で、リーグによって細かい点が異なっていることがあります。
プロ・スポーツチームの経営に関する専門書や教科書を見ると、その収入は大きく4つに分類されています。(1)チケット収入(2)スポンサー収入(3)テレビ放映券(4)グッズ収入です。しかしこれは、プロ野球やJリーグなどメジャーなプロスポーツに適用されるものであり、スモールリーグと呼ばれる地域密着型のプロ・スポーツチームには適さない場合が少なくありません。企業スポーツだったチームが、独立採算のクラブチームへと変わり、新興IT企業がオーナーとなり、もとプレイヤーがGMを務めている例は、少なくありません。こういったチームは試行錯誤の連続です。
そこで本書ではプロ・スポーツチームを経営するにあたり、民間の一般企業と異なる点に注目して、経営学の文脈でその違いを整理しています。また日本に限らず世界の様々なプロスポーツで行われている経営上の成功事例、失敗事例を紹介しています。アメリカのマイナールーグベースボールは200チーム以上あり、そのほとんどが黒字経営です。ビジネスモデルの似ている音楽興行ビジネスの成功事例も参考にしています。
日本のプロ・スポーツチームは1000未満。電子版で無ければ、購入者が少いこの手の専門書は実現しなかったでしょう。関係者以外には、何の約にも立たない専門的な情報を集約しました。