エンタメLABOは、2025年9月10日に、p「FAIR PLAY 」世界標準のフェアプレイ: スポーツコンプライアンスを遵守するために 、を出版しました。アメリカの大学で、スポーツ倫理の教科書として長年使用され改定を3回重ねた、第四版の日本語訳です。
著者は、ROBERT L. SIMON (著), CESAR R. TORRES (著), ETER F. HAGER (著),
翻訳は、ET-LABO代表 江頭 満正 です。

ヨーロッパ、アメリカなどではFAIR PLAYの授業が小学校から行われ、教科書も数多く存在します。しかし日本では、武士道と体育とスポーツが混じり、欧米的なFAIR PLAYが紹介されて来ませんでした。競技のルールを超えた紳士的な行動も含めたFAIR PLAYを定義しています。倫理・哲学の教科書であるため、テーマに対して著者の意見や経験を押しつけず、賛成意見と反対意見を文献から引用し、読者に考えることを求めた内容です。
勝利至上主義に賛成ですか。「良いファウル」と「悪いファウル」は存在するのでしょうか。ドーピングを「悪」と決めつけていませんか。女性アスリートを公平に扱うことは、大学入試のように性別を無視することでしょうか。スポーツ特待生として、受験せずに大学に入学することは公平ですか。スポーツの商業化が進むことでスポーツが変化することに賛成ですか。有名アスリートは、模範的な行動をする責任がありますか。など多面的にFAIR PLAYという軸で議論し検討をすることを、読者が求められる本です。
日本のスポーツコーチや、保健体育の教師らは、正確にFAIR PLAYを教えることが出来るのでしょうか。つい数年前まで、体罰を当然の様に行っていた体育指導者は、世界標準のFAIR PLAYを学ぶ必要があります。スポーツを楽しみ、QOLを向上させるために、キツくない距離感でスポーツと生涯つきあえる若者の育成をするために、世界標準のFAIR PLAYを学ぶことが出来る本です。
FAIR PLAYはキレイゴトです。FAIR PLAYはスポーツをする人、観る人、携わる人だけのものではない。社会とか関わって生きていく上で重要なことです。FAIR PLAY尺度を一般社会で、堂々と発言することは、憚られるでしょう。自分自身が「バカ正直」で融通の効かない堅物と評価され、疎外される危険性もあります。しかし2025年現在は、組織内の不文律に負けずに、FAIR PLAYを主張しなくてはならない時代になりました。フジテレビのハラスメント事件は、そのことを顕在化させました。昭和から伝わる社内文化を、FAIR PLAY尺度で見直す必要に迫られています。高校・大学でスポーツに励んできた人材が、FAIR PLAYを主張すると時代になりました。
著者の持論や事例紹介ではなく、200本以上の文献を引用したニュートラルな内容です。世界標準のFAIR PLAYを身に着けて、コンプライアンスの変化に対応してゆきましょう。