ロック・フェスティバルの経済効果と消費者行動 : フジロックを事例に
江頭満正 尚美学園大学
要旨
本稿では、FUJI ROCK FESTIVAL 2015の経済的影響について考察した。現在、日本の音楽業界は大きな変化を遂げている。CDの販売量は減少しているが、音楽祭は250カ所以上で開催されている。音楽祭は盛んになり、音楽業界だけでなく地域の発展のためにも重要な位置を占めるようになった。フジロック2015の会場で、来訪者の居住地域と来訪者の購買行動について調査アンケート調査を実施し、221の有効回答を得た。経済波及効果金額は、主催者消費および、交通費、宿泊費などの来訪者消費から算出し、フジロック2015の経済波及効果は約150億円であった。これらの結果から、フジロック投資利益率は高く投資効率の良いイベントであること、来訪者消費行動に関しては初心者の訪問者よりも多額の消費傾向があることが明らかになった。また、ロックフェスティバルの構成要素を分析し、フジロックの優れた部分を明らかにした。今後、観光学の枠組みで、ロックフェスティバルを研究する必要があり、さらなる成長の為には地方自治体の関与が重要となるだろう。